お役立ち情報
ビルメンテナンスの仕事の楽なところを転職者に聞いてみました
施設利用者のために快適な環境を保つことが目的のビルメンテナンスの仕事。ゆえに世間では「ルーティン作業=楽」と思われることも少なくありません。では実際のところどうなのか、他業種からの転職者にビルメンテナンスの仕事の楽なところを聞いてみました。
アパレル業界からの転職者:Iさん(35歳)
〈前職について〉
前職は、某アパレルブランドの店長をしていました。おしゃれに着飾ってクールに接客…。一見華やかそうに見えるかもしれませんが、実際は対お客様、対店舗スタッフ、対本社との人間関係に頭を悩ませる日々でした。
そして何よりも私を苦しめたのが売り上げノルマです。店舗ごとに売り上げノルマがあり、達成しないと上司にことごとく責められました。純粋に服が好きで始めた仕事なのに、店長になってからはノルマにより精神的にまいってしまいました。
また、店舗の責任者ということで、接客、クレーム対応、事務的業務、スタッフの欠員フォローなどで、オープン前の8時から22時の閉店まで勤務するのが当たり前になっていました。
〈ビルメンテナンスの楽なところは?〉
ビルメンテナンス業に転職して今年5年目になります。今の会社は、30歳で業界未経験の私を大変温かく迎えてくれました。楽なところは、前職と比べるとたくさんありますが、特に感じるのはやはり、ノルマの重圧がないことでしょうか。
ビルメンテナンス業は施設の環境を維持することが仕事なので、積極的に営業をかけることはありません。そのため、現場作業員は、上司から具体的な数字をつきつけられてプレッシャーを与えられることはまずありません。そういった点で、とにかく今の仕事は精神的に楽です。
ただ、仕事において結果を出して評価されるということもないので、頑張りをほめられたい人にとっては物足りなさを感じるのかもしれませんね。
わたしの場合は、その点に関しては特に気になっておらず、むしろ自分の役目を淡々とこなしながら、技術磨きや新たな資格に挑戦することにやりがいを感じています。
現場作業に関わる資格取得はこの業界ではマストであり、それはある意味ノルマかもしれません。でも、それは仕事に必要なことであり、資格取得すれば給料もアップします。結局は自分にとって必要なことなので前向きに頑張れます。
広告代理店の営業職からの転職者:Yさん(28歳)
〈前職について〉
前職は、広告代理店で営業をしていました。思い返せば、前の会社はいわゆるブラック企業でした。業務量は通常業務内に終わる量ではなく、もはや深夜残業や休日出勤が前提。また、上司のパワハラと無理難題を突き付けてくるクライアントの狭間で対応に追われ、心身ともに疲れ果てていました。
〈ビルメンテナンスの楽なところは?〉
心身ともに弱っていた僕が、転職活動において最も重視したのが、「休日の多さ」でした。そして転職先に選んだのが、今のビルメンテナンスの仕事というわけです。
僕の場合、比較対象がブラック企業なので、一般的にみてビルメンテナンス業界が楽なのかどうかは言い切れませんが、個人的には、休みが多いことで楽さを感じ、体力的にも精神的にもゆとりがうまれています。
〈どのくらい休みがあるの?〉
勤務体制についてお話ししますね。勤務は土日祝を含むランダムなシフト制です。シフトを決める前であれば、休みの希望日を指定することも可能。混雑を避けて平日にでかけられる点が嬉しいですね。
現場の状況によりますが、有給休暇も取りやすいですし、3連休程度の連休は比較的気軽に取れるので、国内旅行や近距離の海外旅行にも行けちゃいます。
また、ビルメンテナンスの仕事には宿直があり、この勤務スタイルを僕は個人的に気に入っています。僕の会社の例ですが、宿直は朝9時~翌朝の9時まで勤務を行います。拘束時間が24時間なので体は疲れますが、夜は基本しっかりと仮眠が取れます。
そして宿直後は「明け休み」といって9時に仕事を上がったあと、休みになります。さらに、明け休みの翌日は休みであるのが一般的なため、「宿直→明け休み→公休」というサイクルが繰り返されます。
こうした働き方ができるので、ビルメンテナンス業の年間休日数は他業界に比べても多くなっているのだと思います。
僕は転職により、プライベートの時間を大切にできるようになりました。おかげさまで生活にメリハリが生まれ、結果的に仕事への意欲につながっているのを実感しています。
タクシードライバーからの転職者:Mさん(49歳)
〈前職について〉
以前の仕事はタクシードライバーです。1日中同じ姿勢で運転を続けていたことで、腰痛がひどくなり転職することにしました。
前職ではオール歩合の給料形態により、実質的に残業代や休日・深夜手当が支払われていませんでした。こうした給料形態はタクシー業界では少なくないようですが、本来は歩合制でも残業代は支払われるべきなんですよね。…会社にごまかされていたことが、今になって大変悔しいです。
〈ビルメンテナンスの楽なところは?〉
楽なところは基本的に残業がないとところでしょうね。ビルメンテナンスの仕事ってそもそもビルのオーナーとの管理契約に基づき配置人員が決まっているので、基本的には次の勤務者が出勤したら仕事を引き継いで、本日の業務は終了というわけです。
タクシードライバーの時とは違い、業務終了時間が読めるので予定も組みやすいです。
ただ、ビルメンテナンス業界の中でも多くの人が利用する商業施設や病院などは、オフィスビルに比べると、どうしてもトラブルが起きる頻度が多く、業界のなかでは比較的忙しいといわれています。
それでも、座って監視モニターを眺めて過ごす待機時間も多く、トラブルが起きない場合は、定期点検などの決まった仕事をこなすだけで終わるので、業務に追われ残業が当たり前の仕事をしている人からすると楽な仕事だといえるでしょうね。
まとめ
今回は、ビルメンテナンスの仕事の楽なところにスポットを当てご紹介しました。
現場によって業務量や繁忙状況に差はありますが、基本的にはマイペースに業務を遂行できることがビルメンテナンスの仕事のよさなのでしょう。
現場経験や資格取得を重ね一人前になれば、さらに心身の負担は少なくなるでしょうから、定年を迎えてもなお活躍できる仕事であるといえますね。