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ビルメンテンナンスで働くには?主な職種と必要な資格、平均給料について
オフィスビル・商業施設・医療施設などの設備管理を行うビルメンテナンス業。
この業界で働くためには「実務経験(技術)」と「資格」が重要になってきます。今回はビルメンテナンスの主な職種と必要な資格、平均給料についてご紹介しましょう。
ビルメンテナンスの主な職種
ビルメンテナンスと一口に言っても仕事内容が幅広く多くの職種を含みます。具体的な仕事内容をご紹介します。
<環境衛生管理業務>
ビル管理法に基づき、ビル内が快適に保たれているか点検し、必要に応じて是正を行う業務です。具体的には以下のポイントを管理します。
■空気環境 (気流、浮遊粉塵、二酸化炭素濃度、温度、湿度)
■飲料水環境 (水質、残留塩素、貯水槽の清掃)
■排水環境 (排水槽の清掃、排水設備の点検)
■害獣・害虫防除 (害獣や害虫の駆除)
なお、この業務に携わるためには「建築物環境衛生管理技術者」の資格が必要です。資格については後ほど触れていきますね。
<設備管理業務>
ビル内には多くの機械類が存在し、どれもビルの環境を保つために必要不可欠なもの。その機械類が正しく作動しているかを確認し、異常があればただちに対処する業務が設備管理業務です。具体的には、主に以下の設備管理を行います。
■空調設備管理 (空調内部・フィルター清掃、空調による温度管理)
■電気設備管理 (電圧計、電力計、電流計の確認、変電装置の操作)
■機械設備管理 (エレベーター、自動ドアなどの保守点検)
■ボイラー管理 (各種設備の動力源であるボイラーの監視)
■建物内の点検 (設備の故障や破損がないかの確認巡回)
なお、電気設備管理には、「第3種電気主任技術者(電験3種)」、ボイラー管理には「ボイラー技士」の資格が必要となります。
<保安警備業務>
ビルの保安警備は、一般的に防犯・防火対策の業務になります。主に、ビル内の巡回、防災センターの監視装置チェック、消防設備の点検などがあります。
なお、大型のビルや商業施設などでは、保安警備業務に関しては専門の警備員を雇用することが多いです。
<清掃管理業務>
利用者が清潔に気持ちよく過ごせるよう、建築物の内部と外部の清掃を行います。
内部の清掃は、床・壁・扉・天井のほか、照明器具・ブラインド・机やいすなど細かいところまで清掃を行います。また、共有スペースである給湯室やトイレ、エレベーター・喫煙所なども清潔に保つために日々清掃を欠かせません。
ビルの外部は、外壁・高所の窓ガラス・屋上の清掃、散水などを行い、ビルの外観を美しく保ちます。
<マネジメント業務>
ビルメンテナンス業務を円滑に進めるうえで、補助的な業務を行うマネジメント業務も欠かせません。例えば専門業者を入れる場合、業者との打ち合わせや、ビルのテナントや顧客からのクレーム対応もマネジメント業務に含まれます。
ビルメンテナンス業に必要!基本資格4種
ビルメンテナンスの業務の中には、資格がないと行うことができない業務が多くあります。ビルメンテナンス業界の数ある資格の中で、採用の際に重要視される最も基本的な4種類の資格について解説しましょう。
<第2種電気工事士(2種電工)>
コンセントやスイッチの交換、蛍光灯など照明器具に使用される安定器の交換のために必要な資格です。ビルメンテナンス業界において需要のある資格であり、求人の際、必須資格としている会社も少なくありません。
第2種は住宅や小規模な店舗等の電気設備の工事を行える資格であり、ビルや工場など大きな施設の工事を行える第1種と比較してその範囲は狭いですが、資格取得難易度は低くなっています。
<危険物取扱者乙種第4類(危険物乙4)>
危険物取扱者は国家資格です。中でも危険物取扱者乙種第4類(危険物乙4)は、ガソリン、灯油、軽油といった引火性液体を扱うために必要な資格で、取得者数・社会的需要ともに多い資格であります。
<第3種冷凍機械責任者(3冷)>
第3種冷凍機械責任者は、基本資格4種の中で最難関資格といえます。しかし、近年では冷凍機を使用しない現場が多くなったことにより、資格の需要が低下傾向です。
とはいえ、冷凍サイクルや冷媒、冷凍機の原理を知識として備えておくことは社内でプラスの評価になることは間違いありません。
<2級ボイラー技士(2級ボイラー)>
燃料を燃焼する際の熱を水に伝え、水蒸気や温水に変える熱源機器「ボイラー」。そのボイラーを取り扱うのに必要な資格です。
ボイラーも冷凍機と同様に使用される現場が減少しており、資格の需要も低下傾向ではありますが、資格取得を推奨する会社は多いので持っていて損はないでしょう。
高く評価される!上位資格3種
先述した4種類の資格がビルメンテナンス業界において基本資格であるのに対し、資格取得難易度は高いが業界において需要が高く歓迎・優遇される「上位資格」が3種類あります。
<建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)>
ビルメンテナンス関連の資格の中で最高位ともいわれる厚生労働省管轄の国家資格です。ビルメンテナンス業の中核ともいえる「環境衛生管理業務」を行うために必要な資格のため、需要が高くなっています。
また、大規模建築物には建築物環境衛生管理技術者の選任が義務づけられているので、この資格があれば大規模建築物のビルメンテナンスの現場責任者になれる可能性もあります。
<第3種電気主任技術者(電験3種)>
電気設備管理を行うために必要な資格で、経済産業省管轄の国家資格です。ビルメンテナンス業務ではこの資格によって「自家用電気工作物の保安監督業務」を行うことができます。
なお、電気主任技術者の資格は取り扱う電圧によって第1種から第3種に分かれますが、ビルメンテナンス業務においては5万ボルト未満の電気工作物の取り扱いができる第3種があれば十分活かせます。
<エネルギー管理士>
一定量以上の熱エネルギーや電力を使用している施設において、燃料や電力の使用方法の監視・改善・維持管理などを行えます。熱エネルギーや電力を一定以上消費する工場には
選任が義務づけられています。
清掃管理業務で活かせる資格
<清掃作業監督者>
ビル清掃を統括し監督するための国家資格です。大いに活かせる資格ではありますが、受講条件は「建築物環境衛生管理技術者」の資格保持者であることに加え、講習の受講や業務経験が必要であるなど、ハードルの高い資格です。
<ビルクリーニング技能士>
ビル清掃作業を行う場合に必要な技能が一定のレベル備わっていると判断された場合に認定される国家資格です。難易度はそれほど高くはなく、日頃の清掃業務を通して身に着けるクリーニング技能+テキストを使った学科試験対策をしっかりと行えば合格は見込めるでしょう。
ビルメンテナンスの平均年収は?
転職エージェントの2016年~2017年のデータによるとビルメンテナンスの平均年収は289万円とのことでした。
年収は一般的に見て高いほうではないかもしれませんが、業務に関わる資格の種類が多いため、資格保持者には毎月資格手当が給料に上乗せされます。
資格手当のほかにも夜勤手当・特殊手当・現場手当・交通費など、手当が多い傾向があります。
まとめ
業務の領域が広いビルメンテナンス業は関連する資格も多く、努力次第で専門的な資格やスキルを身につけることができます。手に職をつけられるビルメメンテナンス業は、高齢になっても長く仕事に携わることができ、それは魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。