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特殊清掃とは一体どんな作業?意外と知らない特殊清掃の詳細をご紹介

2018-10-13
オフィス清掃
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特殊清掃とは一体どんな作業?意外と知らない特殊清掃の詳細をご紹介

 

特にマンション管理を行なっているオーナーや企業であれば、いつかお世話になるかもしれないのが、この特殊清掃です。

一般的には事件現場清掃と呼ばれる作業を指すことが多いですが、今回はその具体的な対象や作業内容についてご紹介します。

 

特殊清掃とは?

冒頭でもご紹介したように、一般的には事件現場清掃と呼ばれる作業を指すことが多いです。具体的には殺人事件や自殺の現場清掃、事故死の現場清掃、孤独死や孤立死の現場清掃のことを言います。

日本では超高齢化社会の進行に伴い、一人暮らしの高齢者は推定で約650万人いると言われており、高齢者の孤独死については社会問題になるほどの頻度で発生しています。

孤独死をされる方には、連絡のつくご遺族がおられないことも多く、マンション管理を行なっている中でこの問題に直面し、特殊清掃を依頼する可能性があるでしょう。
もちろん、事件や事故はオフィスの中でも起こり得ます。

 

特殊清掃現場の特徴

特殊清掃の現場では、亡くなってからご遺体の発見までにある程度の時間が経過している場合が多いです。

人は亡くなると腐敗が進みます。腐敗が進むと血液や体液(腐敗液)が体内から流れ出し耐えきれないほどの異臭を放ち、ハエやウジ虫などの不衛生害虫が大量発生してしまいます。部屋が真っ黒に埋め尽くされるほど害虫が大量発生することも、珍しいことではありません。

体液や血液は布団や畳、フローリングにしみ込み、時には建物の基礎の部分にまで達することさえあります。

またご遺体周りだけではなく、お部屋がゴミ屋敷化してしまっていることや、事件現場では争ったり荒らされたりして、目も当てられないような状況になっていることも多いです。

事件現場の場合は、血液が大量に付着していることも多いです。

 

特殊清掃現場での作業

 

<特殊清掃の基本作業>

血液や体液、肉片の除去をはじめ、死臭・腐敗臭などの消臭を行います。

血液や体液の除去にはそれぞれにあった薬品を用い、徹底的に取り除きます。体液や血液が基礎にまで達していた場合は床材を剥がし、基礎まで念入りに清掃する必要があります。

 

消臭には消臭液の噴射や、近年画期的な方法として注目されている、消臭効果の高いオゾンショックトリートメント法(OST法)などを用います。一度で消臭できない場合は、後日再度行うなどして、匂いが完全になくなるまで対応します。

また、ご遺体が感染症を患っていることもあるため、隅々まで消毒も行います。
害虫が発生している場合の害虫駆除も、重要な作業の一部です。

他に家具や家電、衣服などの遺品の処分、ゴミの処分も行います。

これらの作業を行い、原状回復ができたら作業完了となります。

 

<その他の作業>

特殊清掃業社の中には、遺体のエバーミング(外見回復処置)を行う業者もあります。
また遺体の処置や納棺を行なったり、お部屋の供養やお祓いなどを行ったりする業者もあります。

さらに貴重品や大切な品など、できる範囲で捜索してくれる業者もあります。オーナーや管理会社が依頼する場合にはあまり関係がないと思いますが、どうしても取り出したい品物がある場合は、遺品整理と特殊清掃の両方を行なっている業者に依頼すると良いでしょう。

 

特殊清掃業者を選ぶ時のポイント

 

<複数の見積もりを取る>

特殊清掃には、現状明確な料金基準があるわけではありません。そのため同じような現場であっても、A社とB社では倍以上料金が違ったということも起こり得ます。悲惨な現場を目の当たりにすると、とにかく早く対応してほしいという思いが先に立つと思いますが、初めて利用する場合は2社以上の見積もりを取るようにしましょう。

ただし、安ければ良いというわけではありません。安くても特殊清掃の技術がなかったり、作業がいい加減であったりしては意味がありません。値段だけで判断しないように注意するのが賢明です。

 

<作業範囲や清掃完了の目線を合わせておく>

どこまでが作業の範囲となるのか、どのような状態が清掃完了となるのか、そのゴールの目線をしっかり合わせておく必要があります。技術や経験が豊富で、対応も丁寧な業者と、そうではない業者では、悪気はなくてもゴールのイメージに格差がある可能性もあります。

「思った通りキレイになった」「ここまでキレイになるとは思わなかった」と満足して終われるのか、「もっとキレイになると思っていた」と不満を残すのか、は大きな違いですよね。

目線合わせができていなかった結果、追加作業が発生して法外な追加料金を取られたと言ったトラブルが起こる可能性もあります。また、安いと思って依頼した結果、思ったようにキレイにならず、他社にもう一度依頼したら結局高くついてしまった。なんてことも起こり得ます。そうならないようにするために、事前にしっかり確認しておきましょう。

 

<正しいスキルと知識、豊富な経験があるか>

特殊清掃は、その名の通り特殊な状況であるため、汚れや臭いの除去にはスキルと経験が必要です。
また時に必要となる基礎部分の清掃の際には、基礎は建物にとって重要な部分であるため、適切な作業を行わなければ、建物にとって致命傷にもなりかねません。正しいスキルと知識、豊富な経験を持ち、丁寧な作業をしてくれる業者を選びましょう。

臭気判定士、医療環境管理士、防除作業監督者、1級葬祭ディレクターなどの資格を持った方が所属していると、一層安心と言えます。

 

<24時間365日対応しているか>

特殊清掃の必要性は、突然出て来て、急を要することも多いです。できる限り24時間365日の受付対応をしている業者であることが望ましいと言えます。

HPなどで24時間365日の対応を謳っておきならが、簡単な受付だけを行い、実際の対応には時間がかかるといった業者もあります。最初の連絡の際に、具体的な流れや、訪問や作業時期の目安を確認しておきましょう。

 

<アフターフォローが充実しているか>

アフターフォローが充実しているのかどうかも大切なポイントです。
清掃が完了し、一見汚れや臭いが全てキレイになくなっているように見えても、後になって残ったウジ虫がハエとなって害虫被害が出たり、残った汚れから嫌な臭いが発生したりする可能性もあります。
そんな時、アフターフォローが充実していれば安心です。

 

<近隣への配慮があるか>

特殊清掃の際には、周囲の部屋や住宅への配慮が不可欠です。周囲への気遣いやフォローがあるのかどうかも、大事なポイントと言えるでしょう。

特殊清掃業者はゴミ屋敷清掃も行なっていることが多い

事件や孤独死の場合だけではなく、特殊清掃業者の中にはゴミ屋敷清掃を行なっているところが多いです。遺体の腐敗ほどではなくても、生ごみなどがたまって起こる腐敗臭や害虫の発生、何かもわからないようなシミが畳やフローリングまで染み込んでいる、処分するしかないものに溢れているなど、特殊清掃の技術や経験が活かせます。

 

マンションなどのオーナー様や管理会社の場合は、ゴミの処分だけではなく、部屋の清掃や消臭、除菌を徹底的に行いたいと思っている場合が多いと思います。そんな時には、特殊清掃業者または特殊清掃も行なっている遺品整理業者などに依頼すると良いでしょう。

 

最後に

こんな部屋が本当にキレイなるのだろうか・・・と不安を抱えて業者に連絡をする方が多いですが、ほとんどの場合清掃が完了した現場を見て安心されます。

特殊清掃が必要な場面は、悲しい思いや、困難な気持ちが伴うものです。
そんな時は、まずは特殊清掃業者に相談してみましょう。
そして、マンションや戸建て住宅のオーナーや管理会社の場合、「ここは安心」という信頼できるパートナー業者を見つけておくと安心ですね。